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自社AI EA開発プロジェクト「YenPulse」(5モデルAI.ver)の仕様書を公開します。

私たちは、MT4/MT5とAIを連携させるシステムの開発、そしてその品質と安定稼働を第三者として担保する、金融技術に特化したQA(品質保証)およびSRE(サイト信頼性エンジニアリング)パートナーです。

多くの開発者やトレーダーが、AIを搭載した自動売買システム(EA)の構築に挑戦しています。

しかし、アイデアを「本番運用準備完了(Production-Ready)」のレベルまで引き上げる、その最後の「ラストワンマイル」でつまずくケースが後を絶ちません。

一時的なVPSの不調、設定のわずかなズレ、予期せぬ再起動——これら現実世界の「些細な問題」が、AIの優れた分析を台無しにし、壊滅的な損失を引き起こします。

私たちのビジネスは、まさにこの「ラストワンマイル」を制覇することにあります。

本日、私たちの新しい「価値共創モデル」戦略 の一環として、AI MQLが内部R&D(研究開発)で運用するAIアンサンブルEA「XD_YenPulse v2.20」の完全な仕様書を公開します。


なぜ「秘伝のタレ」を公開するのか?

私たちがターゲットとするお客様は、プロップトレーディングファーム、先進的なFXブローカー、専門FinTech企業といった、高いポテンシャルを持つプロフェッショナルです 。

彼らが必要としているのは、中身がわからない「ブラックボックス」ではありません。彼らが必要としているのは、プロダクション・グレードの信頼性を深く理解し、複雑な課題を共に解決できる技術パートナーです。

この仕様書は、私たちの「製品」ではありません。 これは、AI MQLの技術哲学と専門知識の「証明」です。

私たちは、お客様の貴重な時間を「私たちの実力は本物です」と説得するために使うつもりはありません。このドキュメントが、私たちの代わりにそのすべてを語ります。

これは、私たちの「ソートリーダーシップ(専門家による主導)」コンテンツであり 、私たちがどのようなレベルで物事を考え、設計し、実行するかを示す「生きたサンプル」です。


YenPulse v2.20とは何か:シグナルよりも「堅牢性」

YenPulse v2.20は、USD/JPYの1時間足を対象としたAIアンサンブル型のスイングEAです 。分析の中核には、Perplexity、Grok 4、GPT-5、Claude Sonnet 4.5、Gemini 2.5 Proという5つの最先端AIエンジンを使用しています 。

しかし、その核心的価値はAIモデルのラインナップにあるのではありません。v2.20の真価は、v2.10までに存在した「致命的および重要な課題」を体系的に解決した、その堅牢なアーキテクチャにあります。

私たちがQA・SREパートナーとして解決した、最も困難な問題のいくつかをご覧ください。

  • 課題:VPS再起動時の「状態不整合」
    1. 解決策:起動・ハンドシェイクプロトコル 。 MT5 EAとPython AIシステムが、起動時にお互いの準備完了を100%確認し、状態を同期させてから取引を開始することを保証します 。
  • 課題:設定の「乖離(ドリフト)」
    1. 解決策:統一設定ファイル (config.json) 。 MT5側とPython側で設定がズレるという、壊滅的リスクを根本から排除します 。
  • 課題:AIの「ブラックボックス」化
    1. 解決策:強化された監査ログ 。 AIに送信した未加工のプロンプトと、AIが返した未加工のレスポンスをすべて記録 。これにより、AIの判断を100%事後検証可能です。
  • 課題:一時的な障害への「過剰反応」
    1. 解決策:多段階障害検知 。 Pythonの応答停止を「警告(300秒)」「危機(900秒)」「緊急措置(1800秒)」の3段階で検知 。一時的なネットワーク遅延で全ポジションを決済するような、最悪の事態を防ぎます。
  • 課題:VPSリソースの「枯渇」
    1. 解決策:リソース監視と「優雅な劣化 (Graceful Degradation)」 。 AIシステムがVPSのCPUやメモリを常時監視。高負荷時にはAIの分析間隔を自動で延長し、より重要なMT5の動作にリソースを譲ります 。

この仕様書は、私たちが「AI/MQLシステムの品質と安定稼働を担保する」という言葉を、どれほど真剣に受け止めているかの証左です。


私たちの「共生的R&D」モデル

「なぜ自社のEAをそこまで作り込むのか?」と疑問に思われるかもしれません。 これが、私たちの事業戦略の核である「共生的R&D (Symbiotic R&D)」モデルです 。

YenPulseは、私たちの収益源であると同時に、最先端技術を試すための戦略的R&D資産です 。

私たちのビジネスモデルは、強力な好循環(フライホイール)を生み出します 。

  1. 価値共創(クライアントワーク) 私たちがお客様(プロップファーム等)とパートナーを組み、彼ら専用のオーダーメイド・ソリューションを開発します 。
  2. 知見の抽象化(R&D) そのプロジェクトから得られた非専有的かつ汎用的な知見(例:より高速なデータ通信アーキテクチャ、新しいVPSリソース監視技術など)を、厳格な法的枠組み の下で抽出します 。
  3. 内部EAの強化(資産化) 抽出した汎用的な知見を、私たちの内部EAである「YenPulse」に実装し、その堅牢性と収益性をさらに高めます。
  4. R&Dへの再投資 YenPulseから得られた利益は、AI MQLの新たな研究開発(例:新しいAIモデルの検証)に再投資されます。このR&Dの成果が、未来のお客様への提案価値をさらに高めます。

この仕様書を公開することは、この好循環の「ステップ3」の成果を透明化し、私たちがお客様と「共創」した価値が、どのようにAI MQL全体の技術力を高めているかを示すものです。


結論:仕様書の次へ

私たちはこのEAを販売していません。 私たちは、お客様の野心的なアイデアを、この仕様書で示されたレベル、あるいはそれ以上の品質で実現するための、QA・SREパートナーです。

この数千行にわたる仕様書とコード例は、私たちのコンサルテーションの「序章」に過ぎません 。

  • プロップトレーディングファームのCTOの方へ: 貴社の優秀なクオンツが考案した戦略、そのインフラの不安定性に悩まされていませんか? 私たちは貴社の戦略の「盾」となり、その稼働時間を最大化します。
  • FXブローカーの技術責任者の方へ: 競合他社との差別化のために、独自のAI搭載ツールをプラットフォームに組み込みたいと考えていませんか? 私たちはその共同開発パートナーとなります。
  • 専門FinTech企業の創業者の方へ: 複雑な金融ロジックとAIを組み合わせたシステムの開発で、品質保証の壁に直面していませんか? 私たちは貴社のQA・SRE部門として機能します。

この仕様書を読み、私たちの基準に共感していただけたなら、ぜひご連絡ください。

「販売」ではなく、貴社の課題を解決するための「戦略的コンサルテーション」の場 をご提供します。

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